松戸市小金原での、雨漏りの調査時に天井を開口して、
雨水の浸出の確認を行っている事例です。
和室の天井から雨水が浸出してこるとの事です。
中古住宅に入居後約1年で、1階の和室の天井からポタポタと垂れてきたそうです。
南向きの部屋で2階はベランダになっています。漏れて来た時の雨の状況は、
南西からの風を伴う雨で、長時間降り続いている状況でした。
サーモグラフィーにて天井の表面温度を測定すると、温度が低いところが
広がっており、現在も水分が天井裏に含まれている可能性が高いと推察されます。
更に、水分計を使用し天井の含水率を測定します。
サーモグラフィーで温度が低くなっている周辺部位で、
含水率が「35.3%」を表示しています。
では漏れてきている部位の含水率はどのようになっているでしょうか?
含水率が「OOOO]を表示、これは計測範囲の上限を超えている表示になります。
多量の水分を現在も含んでいる事が分かります。
この天井の裏には断熱材が敷きつめられており、その断熱材に水分が吸収され
吸水できなくなり天井から水分が浸出してくる状態になってくると仮説がたてられます。
散水調査を行い、雨漏りを再現させるためには、雨水の浸入位置に大量の水を
供給しなければ、この雨漏りが再現できない可能性が考えられますので、
散水調査時には天井を開口して確認していきます。
天井の開口は、建物内への水の浸入が少ないうちに、雨水浸入位置を特定したい
場合には大変有効です。
方法としては天井に点検口を付けて、天井裏を確認するか、
また、天井がふやけてしまっていたり、シミ跡が付いているので、
天井材を取り替えたいと考えているならば、点検口を付けるのではなく、
天井材を開口して天井裏を確認します。
また、天井材を取り替える場合には、一度水分を含んでしまっている、
断熱材も取り替えることはおすすめしています。
実際に散水調査を行う前に天井を開口し、散水調査を行うと、
すぐに水分の浸出してくるのが確認できます。
天井を開口していなければ、この水分が断熱材に吸水され、吸水しきれなくなって
天井に症状を表すまで、散水を続けなければならず、
建物内に大量の水分を供給しなければなりません。
開口していれば、そこまで大量に水分を供給せずに原因箇所を確認する事ができます。
天井を開口することに抵抗がある方もいらっしゃるとは思いますが、
出来るだけ建物内に水分を供給せずに確認するためには、
天井の開口が必要になります。
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