雨漏りの原因になりやすい部位 鉄骨造

鉄骨造の建物において、垂直面が雨水浸入の原因になる部位の統計において

統計に表れる外壁は、「ALC版」の事例が最も多く、シートラス+モルタルや

PC版・サイディング他の事例は少ない傾向にあるようです。

ALC版は、外力に対して弱く・水を吸い込みやすいという弱点を持っています。

従ってALC版は、垂直面における、すべての雨水浸入位置に、弱点が関与しています。

 

鉄骨造ALCの外壁の垂直面において雨水浸入位置で一番多いのは

ALC版の版間目地部からです。鉄骨造ALCの外壁の建物は止水を

版間の目地のシーリングと塗装に頼っているからで、この部分が切れてしまうと

ALC版内に雨水は浸入してしまいます。

一度ALC版内に浸入してしまった雨水は、鉄骨造では木造と違い2次防水という概念が

無い為に、排出されず、室内で雨漏りとなって症状が現れてきます。

ALC版間からの雨水浸出

上図は天井裏で、外壁のALC版の目地部から雨水が浸入したことが想定される、シミ跡が確認できます。

 

2番目に多いのが、サッシ廻りからの雨水の浸入です。

ALC版の外壁面とサッシの取合い、サッシ本体と水切りの取合い、すべての止水を

シーリングに依存しています。ALC版の脆弱性から、シーリングの性能の問題とは別に

シーリングとALC版の接着面が乖離しているケースも多いものと考えられます。

ALC版サッシ廻りからの雨水浸出

上図はサッシ廻りから雨水が浸入し、鉄骨のアングルが錆びてしまっています。

 

3番目に多い部位としては、ALC版自体のひび割れからの雨水の浸入です。

古い建物では、ALC版間にモルタルを充填する工法が主流でした、

その為鉄骨造の揺れに追従できず、版間の硬いモルタルが、周囲の柔らかい

ALC版にひび割れを発生させてしまう、と想定できます。

ALC版自体からの雨水浸入

この様に垂直面において、雨水の浸入箇所の多い部分は存在しますが、建物を確認してどの建物でも

この多い順に疑ってはいけません。

この多い順番はあくまでも統計ですので、参考にする分には構いませんが、盲信してはいけないのです。

部屋の中でどこから漏って来るのか、どのような状態の時に漏って来るのかを総合的、複合的に判断して

雨水が建物内に浸入してくる箇所を探し出さなければなりません。

雨漏りの調査・修繕工事や外壁・屋根塗装のご相談は、松戸市の雨漏り110番松戸店(高松工業(有))へお気軽にご相談ください。
☆フリーダイヤル 0120-110-826
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雨漏りの原因になりやすい部位 木造編その2

前回は水平面からの雨水の浸入位置で多い部位のお話を致しましたが

今回は垂直面からの雨水の浸入位置で多い部位のお話をしたいと思います。

前回のブログ「雨漏りの原因になりやすい部位 木造編その1」

木造の建物の垂直面で、雨水が浸入してくる部位で多いのが、サッシ廻りや出窓廻りからです。

サイディングボードの外壁でもモルタルの外壁でも、外装の仕上げ材の下に透湿防水紙やアスファルトフェルト

等雨水を室内に入れさせないようにするためのシート(紙)が入っています。

サッシ等が無い部分は上から下までこの防水紙の連続性が断たれずに、雨水が壁内に浸入しても

排水してくれます、ところが、サッシ等の開口部が有った場合には、その連続性が断たれてしまう為

サッシ廻りの処置に不具合があった場合には、その部分から雨水は浸入してしまいます。

二次防水の施工を適正に行うことが重要でありますが、万が一適正に行われていない場合などは

不具合の多発部位になってしまいます。

更に、最近の傾向で軒の出が少ない建物が多く見受けられます、すると雨掛かりが多くなる為

通常の雨でも、外壁面に流れる雨の量も多くなってくるため、上記の二次防水の不具合部分からの

雨水の浸入は多くなってきてしまいます。

 

2番目に多い部位が外壁のひび割れです。

確かにひび割れ部位に散水調査を行うと、室内の普段雨漏りしている箇所から雨水が浸出してきて

原因の部位だと確認する事が出来ます。

確かに、ひび割れの裏にあるアスファルトフェルト等が、ひび割れが生じた時に発生していれば

壁の裏に浸入した雨水は、その切れているアスファルトフェルトなどから室内に浸入してしまいます。

しかし、垂直面で一番多い雨水の浸入位置で、サッシ廻り等二次防水の不具合部位から雨水が浸入するとあるように

ひび割れから雨水が浸有して、アスファルトフェルトなどの上を通り、サッシ廻り等の二次防水の不具合部位から

室内に浸入してしまうことも考えらえます。

この様なことは、非破壊の雨漏り再現調査においてはそこまで確認することは出来ません、壁を解体して

はじめてその事実が分かります。

外壁のひび割れが、雨漏りの原因になりやすい部位の上位に来るのは、上記の様なことも関連していると思われます。

 

3番目に多い部位はサイディングボードの目地シーリングの不具合部位です。

2番目のひび割れ部位と同様に、サイディングの目地の不具合部位の裏の透湿防水紙に切れや不具合がある場合もありますが

サッシ廻り等の二次防水の不具合部位から室内に浸入してしまうことも考えられます。

サイディングボードの目地のシーリングの不具合部位も、雨漏りの原因の上位に来るのは、2番目のひび割れ部位と

同様の事も関連していると思われます。

木造の建物においては、壁の裏にある二次防水の働きが極めて重要な役割を担っており、

一次防水面での補修や塗装では、一時的に雨水の浸入を止めることは出来るかもしれませんが

雨漏りの根本的な解決ではないため、応急処置であるという認識を持つことが大切になります。

 

 

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雨漏りの原因になりやすい部位 木造編その1

雨漏りがした場合、その雨水の浸入部位が屋根からでは、と考える方が多くいらっしゃいます。

もちろん、屋根等の水平面は雨が降ると常に雨にさらされる場所になりますので

そう考えても不思議ではありません。

しかしながら、垂直面(外壁面やサッシ廻りやエアコンホースの外壁の貫通部分)から雨水が浸入しする

場合も多いのが現状です。

雨水の浸入箇所を考えるうえで、水平面と垂直面とに分けて考えていかなければなりません。

今回は水平面からの雨水浸入部位についてお話していきます。

木造の建物の水平面で、雨水が浸入してくる箇所で多いのが、屋根及び屋上やベランダの防水面です。

実際には屋根の不具合や防水の不具合といった、面における不具合からの浸入ではなく、

「取合い」と呼ばれる、異種部材との接合部分から浸入してきます。

屋上やベランダの防水などは大きな勾配をとらないため、雨水の滞留時間や水量が多くなる傾向が高くなります。

その為に雨水の浸入の可能性を高めてしまうのです。

例えば、防水の立ち上がりが低く、サッシ下枠などとの取り合い部分に雨が掛かりやすくなり、雨水の浸入を招いたしまったり、

防水工事の前にサッシを先行して取り付けてしまい、取り合い部分の防水が機能していない等という事例もあります。

 

2番目に多い部位が、排水ドレン廻りからの雨水の浸入です。

排水ドレン廻りは、大量の雨水の排出をその部分で担う為に、取合い部分で僅かな不備や劣化がある場合

雨水の浸入の可能性を高めてしまいます。

 

3番目に多い部位は、トップライト(天窓)廻りからの雨水の浸入です。

水平面、垂直面の中で最も多量の雨を受けるのは屋根です。本来であれば屋根仕上げ材の下に葺かれている

アスファルトルーフィング等は連続性を断たないように施工されていなければなりません。

しかしながら、屋根の勾配によって流れる雨をトップライト(天窓)が堰き止めてしまい、多量の雨を

集中して受け止める箇所となります。

アスファルトルーフィングの連続性を断って、取り付けていますのでその接合部分に不具合が有れば

雨のたびに危険にさらされる状態となってしまい、雨水の浸入の可能性が極めて高くなります。

 

この様に水平面において、雨水の浸入部位の多い部分は存在しますが、建物を確認してどの建物も

この多い順に疑ってはいけません。

この多い順番はあくまでも統計ですので、参考にする分には構いませんが、盲信してはいけないのです。

部屋の中でどこから漏って来るのか、どのような状態の時に漏って来るのかを総合的、複合的に判断して

雨水が建物内に浸入してくる部位を探し出さなければなりません。

次回は木造の建物の垂直面からの雨水の浸入位置に付いてお話しいたします。

 

 

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複数浸入雨漏り

台風時など通常の雨とは雨量や風の強さが違う雨の時など

雨水の浸入位置は一つだけとは限らずに、複数から建物内に浸入してくる場合もあります。

雨漏りの浸入位置としては、垂直面(外壁等の垂直面)から浸入してくる場合と

水平面(屋根や屋上、ベランダ等の水平面)から浸入してくる場合があります。

その垂直面からも浸入し、水平面からも浸入している場合もあります。

例を挙げると、漏っている箇所の真上がベランダで尚且つ上階の壁も疑わしい場合や

ベランダから雨水浸入が想定できる

1階の下屋の下で雨漏りをしていて、下屋も疑わしく、外壁も疑わしい場合など

下屋からの雨水浸入が想定される

上記のような場合、雨漏り再現調査(散水調査)を行うとき、ベランダが原因の一つであった場合では

そのベランダをまず修繕して、漏れてこないことを確認してからでないと、外壁の調査を行えなくなる場合もあります。

なぜかと言うと、ベランダ面に散水調査や貯水調査を行い、ベランダが原因の一つと分かったら

いくら水が廻らないように養生などしても、水は廻ってしまいます。

これでは、外壁やサッシ廻り等に散水調査をしても、ベランダ床が原因なのか外壁やサッシ廻りが原因なのか

はっきりとは特定できなくなってしまいます。

まず、ベランダの床が原因の一つだったら、そのベランダを修繕して、ベランダからは漏ってこないことを確認してから

外壁やサッシ廻り等他からも浸入していないかを確認しなければなりません。

雨漏りの浸入位置は一つだけとは限りませんので、建物の持ち主の方と我々雨漏り修繕業者とが

協力し合って、雨漏りの解決に進まなければなりません。

雨漏りは調査すればするほど、修繕すればするほど、奥が深く大変であることが分かってきます。

皆様も雨漏りの浸入口は一つだけではないことをご理解いただき、この様な説明のない業者には任せず

信頼できる雨漏り修繕業者を選択してください。

 

 

 

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